ぺんてるライブラリー Pentel Pentel
月刊ぺんてる

なぜ、消える?「ホワイトボードマーカ−」

 事務所や会議室などで使われるホワイトボードと「ホワイトボードマーカー」。一般の家庭でもミニサイズのホワイトボードにお母さんからのメッセージやスケジュールを書いたりと使われています。ホワイトボードと「ホワイトボードマーカー」が発売されたばかりの頃は、チョークの粉が飛ばないというメリットから、衛生面や健康面を考慮する食品・医療関係で多く使われ始めました。やがて何度も消せて、使い勝手がよく、経済的なホワイトボードと「ホワイトボードマーカー」は、オフィスから家庭へと広く普及していきました。

それにしても、なぜ「ホワイトボードマーカー」は、消えるのでしょうか?水性ペンだから?いいえ、一般的に水性ペンではつるつるしたボードでは、インクがはじいて筆跡を残すことができません。ということは、油性ペン?そうです、「ホワイトボードマーカー」は、水性と思われがちですが、実はほとんどの「ホワイトボードマーカー」は油性なのです。でも、油性ペンでボードに書いたら消せないはずですよね。そこで、「ホワイトボードマーカー」の消える不思議を追っていきましょう。

1.筆記直後の状態

2.溶剤が揮発する

3.ハクリ剤だけがボード面に残る

4.消去する時の状態

 一般的な油性ペンの原材料は4つ。1つは、アルコールなどの溶剤。2つは、顔料や染料などの着色剤。3つは、バインダー(つなぎ)としての樹脂。そして、最後の4つ目は、接着剤のように筆跡がツルツルした筆記面でもはがれないようにする定着剤が入っています。油性ペンが消えないのは、この定着剤が入っているからインクが落ちないのです。一方、ぺんてるの「ホワイトボードマーカー」には、定着剤は入っていません。その代わりに、ハクリ剤という物質が入っています。このハクリ剤に「ホワイトボードマーカー」の消える秘密が隠されているのです。

 そのメカニズムは…。ぺんてるの「ホワイトボードマーカー」で筆記した場合、顔料、樹脂、アルコール、ハクリ剤の全ての物質が混ざった状態でボードにのります(図1)。やがて10秒ほどするとインクの中のアルコールだけが揮発します(図2)。次に、顔料と樹脂が結合して膜を作り、ボード面から離れて浮いた状態になり、極々薄いフィルム状になって文字を形作ります。すると、ハクリ剤だけがボード面に残ることになります(図3)。おおまかには、残されたハクリ剤の層の上にインクの層が浮いて、二層に分離している状態を想像してみると分かりやすいかもしれませんね。このハクリ剤は、ボードから簡単に剥れる特性があるため、布などで拭くことでハクリ剤がボードから剥れ、その上に乗っていたインクも一緒に取り除くことで文字を消去します(図4)。ただし、このハクリ剤の効果が表れるのは、ホワイトボードなどインクをはじくつるつるした面に限ります。紙や布などインクを吸収する面では、インクが繊維に染み込んでしまうため、消すことができなくなってしまいます。

時に、「ホワイトボードマーカー」がきれいに消えない経験はありませんか?たとえば、書いてすぐ消すとインク内でまだアルコールが揮発せず、ハクリ剤の分離も間に合わないため、消しても消してもインクがこすれたような跡が残ってしまいます。こんな時は、10〜20秒ほど待ち、筆跡が見た目に乾燥した状態になってから拭くときれいに消すことができるのです。ボード面に細かい傷ができていても、傷の溝にインクが入り込み消去できなくなります。また、時間が経つと消えにくい場合もあります。長期間筆跡を放置すると、ハクリ剤の層に顔料と樹脂の層が入り込みボードに色がくっついてしまうからです。マーカー使用後、キャップの締めが不完全だとアルコールが揮発してしまい、インク成分のバランスが崩れ、文字がかすれてしまったり、消えづらくなる原因にもなるので気をつけてください。

水性ペンと思っていた「ホワイトボードマーカー」が、実は油性ペンだったとは、意外に思った方も多かったのではないでしょうか。インクは大きく分類すると、油性、水性に分けられますが、その中でも「ホワイトボードマーカー」のように特性の異なるインクがまだまだあります。また次の機会にインクの不思議を追ってみることにしましょう。

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うっかり書いてしまった油性ペンの文字を消す裏技

目には目を、油性ペンには油性ペンを!?

 うっかりホワイトボードに普通の油性ペンで書いてしまったことはありませんか? アルコール系のインキであれば、きれいに消せる裏技があるのです。

油性ペンで書いてしまった筆跡の上をぺんてるの「ホワイトボードマーカー」で塗りつぶしてやわらかい布やティッシュで拭いてみてください。すると、きれいに筆跡が消えて元通り!なぜ? 油性ペンと言っているのは、顔料や染料をアルコールなどの油性の溶剤を使ったマーカーのことを言います。

この溶剤がメーカーや製品によって異なっています。ぺんてるの「ホワイトボードマーカー」はアルコール系の溶剤を使っておりますので、「ホワイトボードマーカー」の溶剤のアルコールが、書いてしまった油性ペンの筆跡を溶かし、なおかつ「ホワイトボードマーカー」のハクリ剤の効果でインクを浮き上がらせ油性ペンのインクをいっしょに消し去ることができるのです。

アルコール系同士以外はほとんど消えないので、ホワイトボードに消したくない文字や枠線を書きたいときはアルコール系以外の油性ペンを使うといいですよ。

アルコール系の油性マーカー

アルコール系でない油性マーカー

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