ぺんてるライブラリー Pentel Pentel

海外から火がついた「エナージェル」〜ぺんてる海外事業所発信・世界の文具こぼれ話〜

エナージェル

エナージェル

 世界共通の必需品と言えば……。時計? 冷蔵庫? なべ? いろいろあるけれど、そのひとつに筆記具が挙げられます。
ぺんてるも、世界に向けて数多くの文具を輸出するほか、海外工場で生産された製品も販売しています。現在では海外事業所も20カ国。アメリカ、フランス、中国、ブラジルにも現地工場を設け、世界5大陸にぺんてる商品を送り出しています。
日本で開発した様々な商品を輸出していますが、日本でヒットした商品を輸出しても海外ではまったく売れなかったり、逆に日本で注目されなかった商品が海外で大ヒットすることも。

その代表的な商品が、ゲルインキボールペン「エナージェル」。
2002年に発売されましたが、日本での反響はいまひとつ……。しかし、海外では予想以上に大ヒット。
その理由は、新開発のエナージェルインキの速乾性にあったようです。

日本に比べ欧米人は左利きの人が多く、左から右に文章を書き進める時に左手で文字がこすれ、手も文字もきたなくなってしまうケースが多いのです。また、中東のアラビア文字圏では、文章を右から左に書くため、今度は右利きの人の文字がこすれてしまいます。
そんな欧米や中東のニーズに合ったのが「エナージェル」でした。インクの乾きが早いため、すぐに手でこすっても大丈夫。海外のインク業者も「エナージェルに勝るインクはない!」と、絶賛するほど乾きの早さはトップクラス。
いまや海外では、世界的にヒットしているボールペン「ハイブリッド」に迫る勢いです。

「エナージェル」のように、国の文化や気候の違いによって文具のニーズはさまざま。
世界22都市に点在するぺんてる海外事業所のスタッフたちは、よりその国を知り、その国にあった商品を送り出すため、現地の文具店から学校への営業活動、マーケティング、現地工場での生産活動などに取り組んでいます。
そこで今回は、各海外事業所から集めた情報をもとに、文具にまつわる街でみかけた風景やちょっとしたこぼれ話など、世界の文具事情を紹介していきましょう。
思わず「へぇ〜、へぇ〜」と言いたくなる、トリビアな話題もあったりして。

フランス

あのトップブランド“C”のデザイナーも御用達

現地のテレビで紹介されたビックリネタと言えば、「ぺんてるペンN50」。世界のセレブに愛される誰もが知る有名ファッションブランドの某有名デザイナー氏の、デザインのデッサンに必ず使うのがこの油性ペンだったのです。テレビでは、「ぺんてるペンN50」が彼のアトリエで散乱している様子が放映されました。正直、デザインを描くには使いにくいペンのように思うのですが、長く愛用してくれているようです。また、他の有名デザイナーの中には、筆ペンの「ぺんてる筆」の愛用者が多いとか。筆独特のしなやかな書き味がデッサンにちょうどよいとか。

ぺんてるペンN50

小中学校では鉛筆&消しゴム使用禁止

現地駐在員の子供が通うフランスの小中学校では、テストの時は鉛筆やシャープペンの使用禁止。間違えた箇所は線を引いて横に書き直すことになっています。教師が、その生徒がどういう間違いをしたかを知り、個々の生徒の指導に役立てるからだとか。

ティーンに流行の髪留めとは?

現地スタッフのフランス女性からの情報によると、フランスの女子高生などティーンの間でなにげに流行している髪留めというのがボールペン。髪をくるくると丸めてボールペンで指して留めるというわけ。駐在員がさっそくその話を奥さんにしたところ、「そうそう!メトロで10代くらいの若い女の子が、髪留めの代わりに、ペンをさしているよ!」そして、「でもね〜、、、これって日本人の髪では出来ないの!フランス人の髪って湿度計にも利用するぐらい、細くて繊細でしょ!だから、こんなふうにペンで髪がとめられるのよ!」だそうです。ちなみにぺんてるの製品だと「BK77」が留めやすくて好評だとか。このトレンドに乗り、ぺんてるでも、髪留め用の新ブランドを思案中!?

丸文字は世界共通?!

日本の女の子が書く丸文字と同じように、フランスの女の子もフランス語の丸文字があるのだとか。もしかしたらアラビア文字やハングル文字にも丸文字があるのかも。

音楽家とTradio

駐在員の友人は、フランスの国立音楽大学で作曲の勉強をする学生さん。彼や学生の仲間はぺんてる「Tradio」の愛好家ばかり。ペン先を好みの角度にカットして、カリグラフィーのペンように加工して楽譜を書いています。Tradioのデザイン、インキで、書き味が良さが譜面を書くの最適だとか。


トラディオ・プラマン
ドイツ

シューレテューテとは?

日本では小学校の入学祝はランドセルが定番ですが、ドイツは「シューレテューテ」がお約束。シューレテューテとは、両親が思い思いのかわいらしい柄の包装紙で作った円錐形の紙袋に、文具、折りたたみ傘、ハンカチ、お菓子などを入れ、大きなリボンで結びます。愛情たっぷりの入学祝のプレゼント。

小学生でも万年筆をご愛用

ドイツ駐在員の娘の通う小学校では、低学年は鉛筆、高学年になると筆記具のメインは万年筆に。古きよきものを大切にするドイツならではの風習なのでしょうか。

倹約家のドイツ人気質

ドイツの小学校では、教科書は使いまわし。一年使ったら学校へ返却し、また次に進級した生徒が使うシステム。倹約家が多いドイツ人気質を象徴しています。ちなみに、使い捨て文化の濃いフランスではペンのリフィルはあまり売れないけれど、リサイクル文化の進んだドイツはリフィルの売り上げが高いのです。

アメリカ

赤は注意!? 紫は平穏

アメリカでは、そもそも他国に比べ紫色のボールペンが売れていましたが、近年それに拍車をかけ益々売れていることがニュースになりました。アメリカの学校の先生たちの間で、赤いインクは危険や炎、恐怖感を与えるということで敬遠され、赤いボールペンから紫色のボールペンに変更しているというのがその原因だそうです。

ぺんてる油性ボールペン

文具だって美術品

近代美術の殿堂として世界的に高い知名度を誇るMoMA(ニューヨーク近代美術館)。ここに展示される作品は、高いデザイン性が認められたものばかり。そこにぺんてるの「ビー・スルーニー」が展示されました。ぺんてる社員のちょっとした自慢です。

ビー・スルーニー

同じ商品でも位置づけはいろいろ

芸術の歴史が深いヨーロッパでは、古くから続き、世界的にも一流として認められた画材メーカーが多数あります。子供向けの画材市場を見てみると、歴史あるヨーロッパでは、新参者!?のぺんてる商品は他の商品に比べると比較的低価格帯になります。一方アメリカでは、品質の高さが買われぺんてるのくれよんや絵の具は高級品の部類に位置づけされているんだそうです。

カナダ

カナダのほとんどのセカンダリースクール(中学・高校)では、試験に青インクのボールペンを指定されているため、中高生の消費量が格段に多いそうです。日本でも資格試験に青ボールペンを指定している場合もあるようですが、カナダの比ではありません。また、グリーンの軸は好まれなかったり、紫の油性ペンが急にブームになったり。何かのジンクスがあるのでしょうか?

イタリア

イタリアの青空マーケットにあるほとんどの八百屋さんや魚屋さんが使っているのが油性ペン「ぺんてるぺんN50」。インクの黒さ、つや、ペン先の固さが気に入って、代々使われているとか。また、小学生はシャープペンの代わりにボールペンを使っています。

イギリス

イギリスを代表する英語辞書「The Chambers Dictionary」(1998年版)の“P”のページに【Pentel®】という単語が記されています。イギリスではぺんてるの名前は社名としてはもちろん、使い捨てペンの代名詞として浸透しているのです。

Pentel

8月の文具屋さんは大忙し

9月から新学期が始まる欧米。8月下旬になるとママたちが学校で使う文具を揃えるために文具売り場にこぞって集まります。この時期になるとTVのニュースでも取り上げられるほどの風物詩になっているとか。8月はスーパーや小売店の年間売り上げの大半を占めているとか。


中東

乾きの早さは必須条件

アラブをはじめとする中東では、右から左に文章を書くため、乾きが早い筆記具が売れてます。ちなみに、黄色い軸のペンは売れないとか。宗教の関係?

デザインは、シンプルかつつるりんと

中東の砂漠地帯では、溝や凹凸のないつるんとしたデザインの筆記具が売れ筋に。そのわけは、砂漠の砂が凹凸に入り込まないからだとか。

韓国

ペン回し大会が開催される韓国。そこで注目されたボールペンが「K906」。普通の商品なのにバランスの良さからたくさんの人がこぞって購入したとか。そこまで熱狂するペン回し大会、いったい賞金総額はいくらなのだろう…。


K906
シンガポール

役所や銀行に提出する公的な文書も日本なら訂正印ですが、シンガポールは修正液で消して、その上からタイプしていました。

モーリシャス共和国

アフリカのモーリシャス共和国の国際空港では、税関や入国管理の職員が揃いも揃ってぺんてるの油性ボールペンを使用していました。

まだまだ探せばありそうな各国の文具の常識。
ただ、あくまでもその国すべてがそうであるというわけではないので誤解のないようにお願いします。
あっ、忘れていました。最後にワタシたちの国・日本は?
日本は、世界でも有数の文具の種類が多い国。数え切れないほどの製品、その機能性や品質の高さは、世界的にも認められています。
文具の先進国・日本。これからも世界の人々に愛される文具を作り続けなければならない、そんな使命感を持ってぺんてるは、開発に取り組んでいきます。

海外から火がついた「エナージェル」

速乾性が年賀状に最適

エナージェル

  書いた文字がこすれない優れた速乾性から、日本より海外で先にヒットした「エナージェル」。日本ではそれほど反響がなかった商品だけに、これほどヒットするとは予想していませんでした。

海外でヒットする商品は、CMや広告よりも口コミによるところが多いとか。というのも……。
日本の文具店のペン売り場には、試し書きができるように小さい紙が置いてありますが、海外のほとんどの文具店にはその紙が置いてありません。書き味やインクの出具合などは実際に購入して使ってみないと分からないというわけ。
なので、誰かが使っているペンを試しに使って納得の1本をみつけたり、口コミで評判が広がっていくことが多いのです。そして、一度気に入るとずっと買い続ける人が多いのもうなずけます。「エナージェル」もそのひとつ。

日本では反響が弱かった「エナージェル」ですが、海外でのヒットを追い風に日本でもその良さを知ってもらおうと実演販売を開始しました。すると、過去の実演販売では例を見ないほどの売り上げとなったのです。年賀状のシーズン、縦書きの宛名を右から書き進めるのに、滑らかな書き味と速乾性が、最適だったこともあるようです。海外から火がついた「エナージェル」も、日本で注目を集める日も近い!?