ぺんてるライブラリー Pentel Pentel
月刊ぺんてる

TOPICS 片手でOK!ノック式油性マーカー「Handy(ハンディ)」〜病院で、工場で支持された新商品〜

 ここ近年、オフィスツールの技術の進歩と共に、仕事の効率が大幅にアップしています。その代表格は、やはりパソコン。パソコンによって、仕事の効率がアップしたことでしょう。まさに、オフィスツールの花形とも言える存在です。でも、パソコンほどではないけれど、文具の世界にも陰ながら効率アップに貢献している商品があります。それは、ノック式筆記具です。

ペン先が収納できる先端収納方式採用。ペン先の収納状態を確認できる「ガードサイン」をノック部分に装備。

1本で3種類の芯(0.3・0.5・0.7mm)が使えるシャープペン。ノック部をスライドさせペン先を出し、そのままノック部をノックして芯を出します。

先端部収納式。筆記時にクリップの先端がボディーに収納され邪魔にならない新設計。芯は0.3〜0.9mm対応。

細身でスタイリッシュな多色ボールペン。

ノック式で素早く使えるペンタイプ。先端収納式なのでテープの汚れも防ぐことができます。

 180年ほど前のシャープペンは、現在のノック式ではなく、軸をくるくる回して芯を送り出す繰り出し式でした。この繰り出し式は、片手で軸を押さえながら回さなければならないため筆記作業が中断してしまいます。でも、ノック式なら片手でカチカチ。繰り出し式とノック式の芯を出す作業の差はほんの数秒かもしれませんが、両手での作業が片手でできるようになり、作業効率は確実にアップしているはずです。
パソコンに比べるとかなり地味な存在ですが、今月は、そんなノック式筆記具にスポットを当ててみましょう。

ノック式筆記具が世の中に登場したのは昭和30年代のシャープペンからでした。その後、ノック式筆記具は進化していきます。シャープペンを落とした時など、その衝撃でペン先が曲がってしまうトラブルを防ぐため、ペン先を軸に収納するWノックが開発されました。また、ノック式を採用することによって、ペンのボディに何本ものインク軸を内蔵することができるようになり、シャープペンとボールペンの組み合わせが可能な複合タイプが生まれました。ペンを持ち替えることなく1本でカチャ、カチャ。便利ですよね。
水性ボールペンにおいても、従来しっかりとキャップをしないとインキもれやドライアップの原因となっていましたが、ノック式の水性ボールペン「ハイブリット」では、先端のボール部分がキャップの役目をする新構造が開発され、ノック式バージョンが実現しました。
今やその利便性から、ノック式のペンはオフィスでのシェアが広がっています。

でも、これほどノック式が普及しているのに、油性マーカーのノック式はあまり見かけませんよね。実は、油性マーカーのインクは揮発性が高く、キャップがないノック式ではインクが蒸発してしまい書けなくなってしまうためノック式油性マーカーを世に送り出すことができなかったのです。

油性マーカーは、ボールペンと並びコンスタントに売れている商品のひとつ。これほどノック式筆記具が当たり前のように普及していったのだから、ノック式油性マーカーのニーズはあるはずなのではと、ぺんてるは開発に乗り出しました。
その結果、ペン先が軸に収納されると開閉弁がピッタリと閉じる従来のエアタイト構造を改良し、ノック式油性マーカー「Handy(ハンディ)」を2005年1月に送り出すことができました。
早速、工場や現場関係の企業へサンプリングに行ったところ、その反響の大きさに驚かされました。
その大きな要因は、キャップをはずす手間がなく片手で作業ができるところにあります。
某大手運送会社では、「今まではいちいち荷物を置き、キャップをはずして筆記していたけど、ノック式筆記具ならダンボールをかかえたまま片手でペン先を出して筆記することができて便利になった」「倉庫の検品作業の際、口でキャップを外していたけど、片手でできるようになって大変便利」と支持され、病院の看護士さんからは、「片手で作業しながら筆記できて助かる」。他にも高所で作業をする電気工事の作業員や建設業の方なども、「キャップをはずす時に両手を離さなくてもいいから安全」。そして、食品関係の工場では、「キャップをなくす心配がないため異物混入を防げる」など、さまざまな現場から多くの声が寄せられてきました。

「Handy(ハンディ)」は、工場や作業現場から口コミで広がり、大きく売り上げを伸ばしています。

 このエアタイトの開発で、ノック式蛍光マーカー「Handy-line(ハンディ ライン)」も続けて近日発売。こちらも展示会で発表したところ、学生さん達をはじめとする世代に好評でした。

シャープペンから始まったノック式筆記具。今では、油性マーカーから修正テープまで、さまざまな文具に採用されています。パソコンの普及のように劇的な感動はないかもしれないけれど、たった1本のペンも「こんな1本が欲しかった」の声に支えられ、新たな文具の開発を進めています。

使いやすいペンの条件とは?

書き味のよさはバランスにあり

 書き味のいいペンの条件には、ペン先の滑らかさのほかに、握りやすさやバランスのよさは必要不可欠。観光地のお土産などの異様に長い鉛筆や、大きなおもちゃがついたボールペンなどはあまり書きやすいものではありませんね。ぺんてるでは、ほとんどの筆記具でペンを持った時に親指と人差し指でできる輪の部分に重心がくるようにバランスよく設計されています。また、キャップ式の筆記具においても後ろにキャップをして筆記しても、極端に重心が後ろになり不安定で書きにくくなることがないように設計されています。

より使いやすく、よりデザイン性の高い筆記具の研究を進めるため、社内だけでなく、大学の人間工学を専門とする研究室等の協力を得ながら、ベストな重心のより書き味のよいペンの開発を進め、商品化を進めています。