ぺんてるライブラリー Pentel Pentel

「QCサークル」は、プロジェクトX!?〜現場レベルで品質改善を目指す〜

  第35回全日本選抜QCサークル大会で、ぺんてる・ペン5課の“なすびーサークル”が金賞を受賞しました!

この全日本選抜QCサークル大会に出場するサークルは、各サークルとも社内選考会、地区選考会、そして日本9エリアの地区予選を勝ち抜き、選抜された18サークルです。今回の選抜大会に出場した主なサークルの出身企業は、トヨタ自動車(株)、日産自動車(株)、マツダ(株)、(株)デンソー、シャープ(株)、コニカミノルタエムジー(株)、病院関係などとぺんてるです。
ぺんてるの工場部門では、QC教育の実践の場としてQCサークルによる改善提案活動を推進しています。この活動の集大成とも言えるQCサークル全日本選抜大会で、2002年には金賞、2003年には銀賞を受賞しているのです。

と言っても、この記事をお読みのほとんどの方が「QCサークルって何?」「会社のクラブ活動?」と、思われることでしょう。製造業やサービス業に従事している方ならご存知かもしれませんが、その他の職種や主婦層、学生さんには聞きなれない言葉ですよね。

QCサークルとは…

 お客様に満足していただける製品やサービスを提供することを目的とし、第一線で働く社内の社員同士で小グループ(サークル)を作り、製品・サービス・業務内容の質の改善・向上を行うグループのことです。もちろん職場以外でも、飲み会、バーベキューやボーリング大会などを通じてコミュニケーションを深めていきますので、レクレーション担当がいるサークルも珍しくありません。

会社を運営する上で、経営能力は大きな要となります。その一方で、実際にお客様に接する現場や、商品を作る工場は、いわゆる会社の基盤となる部分です。
この現場の業務改善や意識の向上なくしては、消費者に認められる商品やサービスは提供できません。その現場レベルで、より満足のいく商品を送り出す方法を模索し、生み出していくのがQCサークルです。

QCサークルはより高い品質とサービスを目指す日本独自の発想から、1962年に日本で始まりました。今の日本の企業の力を支えているのは、現場で働くQCサークルのメンバー一人一人の力といっても過言ではありません。この活動は海外でも認められ、世界70数カ国の地域にも普及されています。

ぺんてるでは以下の3つをQCサークルの基本理念とし、QCサークル活動を行っております

  1. 人間の能力を発揮し、無限の可能性を引き出す。
  2. 人間性を尊重して生きがいのある明るい職場を作る。
  3. 企業の体質改善・発展に寄与する。

<財団法人日本科学技術連盟QCサークル綱領より>

発表台にて
発表台にて
プレゼンテーション資料
プレゼンテーション資料

 具体的に、QCサークルがどのような活動を行っているのかを"なすびーサークル"が発表した「壁を貫き進め! リーダー塙の成長記」を例に紹介していきましょう。
1998年、ぺん5課に配属された新入社員の塙さん。部品を組み立て工程に流す前に、ボールペンのペン先であるチップのインクの出具合や形状の検査をするチップ工程内検査を任されましたが、どんなに忙しくても残業はお断り。学生気分が抜けない困ったちゃんでした。そんな塙さんがQCサークル活動を通し成長していく記録を軸に、どのように現場の作業が改善されていったかを追っていきました。

サークル発足(職場の紹介)

なすびーサークルは、ぺんてる茨城工場のペン5課に所属。

ボールペンのペン先であるチップの加工担当と、新入社員の塙ら工程内検査担当の4名で構成されています。

問題の提示(私と現場の壁の時代00年〜02年)

現状分析&解析(私と現場の壁の時代00年〜02年)

仮説&分析(私と現場の壁の時代00年〜02年)

対策&実行(私と現場の壁の時代00年〜02年)

チップを送り出すホース内のエアー圧の調整、ホース内径の変更などを模索した結果、チップの変形を防止できることが判明しました。

「月間不良損金削減240,000円/月を達成!」

こうして新入社員・塙さんに一社員としての自覚が芽生え、なすびーサークルは次々に送り出されてくる新製品の工程による不良品の改善を、開発部と協力しながら進め、チップの不良数を大幅に減らすことに成功したのです。

水平展開(私達と開発の壁の時代03年〜現在)

なすびーサークルの活動が全社に報告され、部署同士の問題発生時にも早期に解決できる社内の流れも確立することができました。

 今回の舞台となったペン5課では、量産の初期段階などで不良品が出た場合、開発部の指示を待って対応をとることが多かったのですが、検査担当とチップ加工担当とで発足した"なすびーサークル"は、自ら原因追及に乗り出しました。現場での観点から独自の発想と仮説のもと、効率よく、より確かな品質のペン先を作り上げることに成功。そこに至るまで、メンバーは電子顕微鏡の使い方を覚え、不良チップを分析し、工場での加工方法や機械の構造を学び、開発部との意見の衝突などを繰り返しながら、長い道のりを経てこうして結果を出すことができたのです。

QCサークルの活動は、改善活動だけでは終わりません。せっかく成果のあがった改善活動であれば発表して水平展開できるようにしましょうというのがQCサークルの考え方です。その発表の場がQCサークル大会なのです。QCサークル大会では、発表の仕方も評価の対象となります。聞く人を引き込む台本や分かりやすいスライド画像の作成など、メンバーは何度も台本を練り直し、まさに作品を作り上げていくのです。発表のための資料集めや数十枚に及ぶスライドの作成など、根気とやる気なくしてはできない活動です。

ぺんてるTQMカード

ぺんてるの全社員には、QCサークル活動を含めたQC(品質管理)活動のための基礎知識や活動方法をまとめたカードが配布されます。

QC七つ道具

QC活動をする上で、問題点や解析方法、解決策などを明確にするための七つの手法があります。 これを元に、より的確に効率よく解析しサークル活動を進めていきます。

 ここで紹介したなすびーサークルの活動は、ほんのひとつの事例です。
ぺんてるにQCサークルは1970年に導入され、それぞれの社員が独自の発想で、自らが動き、品質改善を行っていこうという意識が根付いていきました。
そして、現在では自動車メーカーや精密機械メーカーのQCサークルと肩を並べるほど高いレベルで活動し、より高い品質の、より良い商品を送り出すことへとつながっています。
ひとつの商品を生み出し、改良していく現場の奮闘、苦悩、努力。QCサークルの活動は、プロジェクトXのようにテレビで華やかに紹介されることはありません。でも、この地道な現場の力があるからこそ、ぺんてるの商品が日本で、世界で認められるようになったのです。そして今も、各部署でぺんてる・QCサークルのプロジェクトXは続いています。

ペン先はミクロの世界

品質をささえる技術者の目

  以前にもこのコーナーで紹介しましたが、油性ボールペンはボールが筆記時に紙の抵抗を受けながら回転することで、インクタンクのインクを引き出して紙に文字を書いていく構造で、このボールの回転スピードは時速200kmで走る乗用車のタイヤ回転数以上とも言われます!

今回はそれをささえる金属部分の話です。
実はそのボールを支える金属部分は髪の毛の直径の半分以下の厚さしかないのです。 ペン先の耐久性を高めるため、ホールド部分の金属はある程度の厚さが求められますが、耐久性を高めるためにホールド部分を厚くしてしまっては、筆記中にホールド部の角が紙にひっかかりやすくなり、書き味を損ねてしまいます。


そこで電子顕微鏡を使い、徹底的にミクロの世界にこだわり試作を重ねた結果、なめらかな書き味を得ることができました。
その精密さを維持しながら量産されたもの、それがお客様にお届けできる商品なのです。このように、人の目に見えない部分にも改良が加えられ、ぺんてるの品質はささえられているのです。